公開講演会分断国家にとって在外国民はいかなる存在か
〜冷戦期韓国、台湾を事例に

日時:2023年1月29日(日) 13:30-15:30
会場:同志社大学今出川キャンパス 弘風館 K31教室(対面開催)
講師:鶴園裕基(香川大学)、緒方義広(福岡大学)
主催:グローバル地中海地域研究 同志社拠点 「外交と移民」研究班

2022.12.09 UP
©John St John.

©John St John. "Separation", Taken on July 20, 2016 (No change has been made)

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要旨

■鶴園裕基:「中華民国の出入境管理制度と対外政策—冷戦期の日本華僑を例として(1945-52)」
 華僑は「革命の母」と言われるように、中華民国は華僑を包摂する政策をとってきたが、しかしかれらを「国民」と位置付けることには多くの困難が存在していた。その上、中華民国は列強との間に結んだ不平等条約により、外国人はもちろんのこと、自国民についてもその越境移動を管轄下に置くことが出来ない状況があった。第二次世界大戦に際して不平等条約を撤廃した中華民国は、これらの問題を解決し得る国際的地位を得たにもかかわらず、国共内戦のなかで敗北し、台湾へと撤退するに至った。本報告では、第二次大戦後から台湾撤退までの期間の、中華民国の出入境管理制度と華僑に関する対外政策について、日本華僑を例として取り上げつつ検討していく。

■緒方義広:「韓国政府による対在日同胞国民統合政策の展開」
 1945年に植民地からの「解放」を迎えた朝鮮半島において、在日同胞をどのように規定するかは、対日関係における最大懸案のうちのひとつであった。東アジア冷戦秩序を背景とした国民国家の形成過程において、韓国政府が在日同胞をいかにして統合せん(しまい)としたのか、日韓関係史の観点から探っていく。

講師プロフィール

【鶴園裕基】
博士(政治学)(2020年3月 早稲田大学)。日本学術振興会特別研究員DC2、早稲田大学政治経済学術院助手などを経て、現在、香川大学法学部准教授。

【緒方義広】
政治学博士(2019年2月 延世大学校)。外務省在大韓民国日本国大使館広報文化院専門調査員、弘益大学校経営学部専任講師、助教授などを経て、現在、福岡大学人文学部東アジア地域言語学科准教授。

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お問い合わせ

崔紗華(同志社大学 社会学部)
sachoi@mail.doshisha.ac.jp