会場:奄美市市民交流センター大多目的室(3F)
報告:原井一郎(ジャーナリスト)、板垣竜太(同志社大学)、駒込武(京都大学)
応答:津村幸夫(ディレクター)
主催:京都大収蔵の遺骨返還を求める奄美三島連絡協議会
共催:グローバル地中海地域研究 同志社拠点 「レイシズムと植民地主義」研究班
かつて京都帝国大学の人類学者は、大日本帝国の各地から研究材料として人々の遺骨を収集しました。特にアイヌ民族、琉球(沖縄)そして奄美では、墓から遺骨を持ち去るなど、本州・四国・九州では考えられないようなやり方で収集がおこなわれました。その後、アイヌ民族からの遺骨返還要求により、その大部分は北海道の施設へと移されましたが、その多くは地元に帰ることができずにいます。琉球の遺骨は、返還を求める訴訟が起きていますが、京大はいまだ頑なに拒否をしています。奄美の場合、奄美大島、徳之島、喜界島から260体を超える遺骨が持ち去られ、今も京大の収蔵庫に眠っています。奄美からも返還の声がありますが、京大は無視を続けています。
昨年(2022年)11月27日、MBS毎日放送で「奄美人遺骨を追って~昭和初期・人類学の”戦利品”~」が放映されました。MBSディレクターの津村幸夫さんを中心に企画されたこのドキュメンタリーは、琉球(沖縄)の遺骨問題をとりあげた「学知と骨」(2021年9月放送)、アイヌ民族の遺骨問題をとりあげた「骨は誰のものか」(2022年7月放送)の続編となっています。
今回は、奄美大島在住のジャーナリスト原井一郎さんが案内役となり、同志社大学の板垣竜太さんがゼミの学生とともに原井さんのお話をうかがう流れを軸として制作されています。番組には登場しませんが、京都大学の駒込武さんもこの企画に参加し、制作現場に立ち会っています。
ただ、MBSが近畿圏の放送局であるため、この番組が奄美人の遺骨問題をとりあげているにもかかわらず、今日にいたるまで奄美で放映されたことはありません。そこでまず奄美大島で「奄美人遺骨を追って」に関連する映像の上映会をして、それをめぐる議論の場をつくることにしました。
戦前の京都帝国大学の学者はなぜ、またどのようにして、奄美3島の住民の遺骨を集めて回ったのでしょうか?それぞれの島々で遺骨を持ち去られたお墓は、今日どのように存在しているのでしょうか?京都大学が、遺骨の返還はもとより、収集と所蔵の状況にかかわる説明すら拒否していることをどのように受けとめればよいのでしょうか?今後どのような解決がありうるのでしょうか?そして、この遺骨問題は、現在の日本社会における人間の死と生のあり方について、何を問いかけているのでしょうか?
討論会では、企画にかかわった原井さん、板垣さん、駒込さんの3名がコメントを述べ、津村さんから応答していただきます。そのうえで、遺骨問題について、それぞれ自由に感想や意見を語り合いたいと思います。たくさんの方のご来場をお待ちしています。
入場無料・申込不要
上映:「奄美人遺骨を追って~昭和初期・人類学の”戦利品”~」関連映像(約50分)
報告:原井一郎(ジャーナリスト)、板垣竜太(同志社大学)、駒込武(京都大学)
応答:津村幸夫(ディレクター)
自由討論
原井一郎 harai1@hyper.ocn.ne.jp