会場:同志社大学 今出川キャンパス 良心館 RY401(対面開催)
講師:吉田航太(静岡県立大学)
主催:グローバル地中海地域研究同志社拠点「コロニアリティと社会的実存」研究班
© Hamtun-Eye. "Walking The Dump", Taken on September 18, 2010 (No change has been made)
本研究会では、インドネシア研究者の吉田航太さんをお招きし、「社会」の意味をもつ現地語masyarakatに注目した研究についてお話しいただく。マレーの社会学者ファリード・アラタスは、西洋知のコピーではない「自律的な学知」を形成するために、言語の真剣な検討が欠かせないと言う。つまり、現地の言葉の内側から概念を取りだすことで、社会科学者の使う概念を鍛えなおす、そのような学知の脱植民地化の作業である。「社会」やmasyarakatの語は、societyやsociétéと一対一対応にはなりえず、そのあいだには意味のズレがある。各地の歴史的文脈の違いが映しだされたこのズレには、外来のものとは似て非なる概念を鍛えあげる可能性が秘められている。本研究会ではインドネシアを主な議論の対象としながら、このような可能性を探究していきたい。
16:30-16:45 導入・趣旨説明(鈴木赳生)
16:45-17:45 「社会」を使って何をすることができるのか:インドネシアの「マシャラカット」をめぐる試論(吉田航太)
17:50-19:00 質疑応答、全体討論
経歴:
2023年、東京大学 大学院総合文化研究科 博士課程修了、同年より静岡県立大学 国際関係学研究科 助教。
研究テーマ:
・インドネシアの環境問題(特に廃棄物問題)における社会と技術の関係性についての科学技術人類学的研究
・インドネシア・ジャカルタにおける都市居住環境の分布と動態についての学際的研究
所属先HPより転載。
鈴木 赳生(京都精華大学 国際文化学部)
suzukit11@kyoto-seika.ac.jp