会場:同志社大学 今出川キャンパス 良心館 RY101教室(対面)
使用言語:日本語(韓国語からの日本語通訳あり)、手話通訳あり
登壇者:高秉權(コ・ビョングォン)、渡邉琢、北川眞也、瀬戸徐映里奈
主催:グローバル地中海地域研究同志社拠点「移民・エスニシティ」研究班
© musicdive. "crosswalk. 횡단보도", Taken on October 4, 2018 (No change has been made)
高秉權(コ・ビョングォン)『黙々——聞かれなかった声とともに歩く哲学』(明石書店、2023)が持つ力強さは、現在の社会制度がいかに差別を前提にしたものであるかを明らかにし、私たちの生の根拠と前提を再考させるところにある。とりわけ本書が繰り返し論じる韓国における障害者の移動権闘争、脱施設闘争は、私たちの社会がどのように障害者を排除した上で成立しているのかを明白にしている。
また、哲学の「正典」が障害者の排除を正当化してきた人間の恥ずべき歴史の一面であることも、本書の読後には否定しえない事実になるだろう。本企画は、著者とともに、障害者や非正規滞在者の収容といった暴力と、そこから脱する諸実践を、それぞれの現場でとらえなおし、すべての存在が生きることを肯定する拠り所を共有するための場である。そのために著者である高秉權さん、書評者として日本自立生活センターの渡邉琢さん、政治地理学の北川眞也さんを招き、ともに語る場をつくりたい。
日時:2024年8月1日(木)13:30-17:30(13:00開場)
会場:同志社大学 今出川キャンパス 良心館 RY101教室(対面)
使用言語:日本語(韓国語からの日本語通訳あり)(通訳:影本剛/姜文姫)手話通訳あり
登壇者:高秉權(コ・ビョングォン)(スピーカー・『黙々』著者)、渡邉琢(評者・日本自立生活センター)、北川眞也(評者・三重大学人文学部准教授)、瀬戸徐映里奈(司会・近畿大学人権問題研究所講師)
長いあいだ研究者たちのコミューンであるスユノモで勉強や講義を行ってきた。現在は障害者差別に抗って勉強や闘争をする「ノドゥル障害者夜学」と、読むことに熱情を持つ人びとの空間「読むことの家」で活動している。ソウル大学社会学科で「西ヨーロッパにおける近代的貨幣構成体の形成」で博士学位を取得し、これまで二〇年ほど様々なテーマで著書を編んできた。ニーチェに関する研究書に『ニーチェ、千の目千の道』『ニーチェの危険な本、ツァラトゥストラはこう言った』『アンダーグラウンド・ニーチェ』『ダイナマイト・ニーチェ』があり、社会運動と民主主義に関する著書として『追放と脱走』『民主主義とは何か』『占拠、新しいガバメント』などがあり、様々な現場で人文学を勉強しながら浮かんだ悩みを込めたエッセイに『高酋長、本で世の中を語る』『「生きていく」』『哲学者と下女』(今津有梨訳、インパクト出版会、2017)などがある。最近はマルクスの『資本論』を解説した『ブッククラブ資本』シリーズ(全12巻)を刊行した。現在は人間の限界ないし境界としての障害について研究している。
(明石書店のウェブサイトより転記)
瀬戸 徐 映里奈(近畿大学 人権問題研究所)
erina.setoso@kindai.ac.jp