公開研究会人/種主義を抜け出たディアスポラ

日時:2025年7月29日(火)16:00-18:00
会場:同志社大学新町キャンパス新創館2F会議室(ハイブリッド)
使用言語:日本語
スピーカー:申知瑛(しん じよん)(延世大学校比較文学協同課程・教授)
主催:グローバル地中海地域研究同志社拠点「レイシズムと植民地主義」研究班、同志社コリア研究センター

2025.07.22 UP
©Israfil Shoikot

©Israfil Shoikot "The Street Dog Zadic...", Taken on August 24, 2017 (No change has been made)

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概要

コリアン・ディアスポラ研究と非人間存在論、特に批判的動物(権)論の接点は、どのように見出すことできるのか。本発表は、こうした大きな問いのなかで「脱北亡命高麗人」の記録/文学で表象される非人間的存在と在日朝鮮人にかかわる表現に焦点を合わせる。これは人/種主義(植民地主義と人種主義、そしてヒトという種を特権的に位置づけ人間とみなされない存在を差別する「種差別主義」を合わせた用語)から脱したディアスポラ研究を模索することでもある。また本発表では、植民地期に炭鉱に強制動員された朝鮮人と非人間動物の関係に注目した既発表論文の連続線上でこうした主題を扱うことによって、植民地主義と人種主義そして種差別主義を串刺し的に批判しうる方法を考える。

関連参考論文:

申知瑛「比較から近接地帯へ:専有された労働と非/人間動物の逃亡」『動物のまなざしのもとで:種と文化の境界を問い直す』勁草書房、2022年

日時:2025年7月29日(火)16:00-18:00

使用言語:日本語

スピーカー:申知瑛(しん じよん)(延世大学校比較文学協同課程・教授)
延世大学比較文学協同課程教員。朝鮮の近現代文学。1945年前後の東アジアにおける流民・難民の記録文学。現代の難民・障害・動物をめぐる活動に関心を持ち、これを東アジアの歴史におけるマイノリティーの経験へと繋ぐ研究を試みている。著作に、『不/在の時代』(ソミョン出版、2012年、韓国語)、『マイノリティーコミューン』(ガルムリ、2016年、韓国語)。共著に、『東アジアの中の戦後日本』(臨川書店、2018年)『難民、難民化される生』(責任編集、ガルムリ、2020年、韓国語)、Pandemic Solidarity(Pluto Press、2020年)、『動物のまなざしのもとで』(勁草書房、2022年)、『収容・隔離・剥奪─世界の内部へ追放された存在たち、東アジアの収容所と難民』(責任編集、西海文集、2024年、韓国語)など。最近の日本語論文に、「「難民の土地」から「土地のなかの難民」へ」(『思想』岩波書店、2023年12月)、「森崎和江の「朝鮮」と「女性」」(『現代思想』青土社、2022年12月)など。

コメンテーター:保井啓志(やすい ひろし)(同志社大学都市共生研究センター・研究員)

会場:同志社大学新町キャンパス新創館2F会議室
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主催:グローバル地中海地域研究同志社拠点「レイシズムと植民地主義」研究班、同志社コリア研究センター

お問い合わせ

板垣竜太(いたがき りゅうた)(同志社大学社会学部社会学科)
ritagaki@mail.doshisha.ac.jp