会場:同志社大学寒梅館2F会議室(対面)
使用言語:英語
講師:フセイン・イヌサー(ケープ・コースト大学准教授)
主催:グローバル地中海地域研究同志社拠点「コロニアリティと社会的実存」研究班
©masomaso "Ghana", Taken on May 16, 2008 (No change has been made)
アフリカに独自の哲学を見出す「アフリカ哲学」の問題設定は、西欧諸国から独立したアフリカ諸国が自らのアイデンティティを再建せんとする脱植民地化時代を背景に確立され、近年では日本でも光が当てられるようになってきた。これは「アフリカに哲学などない」と考えてきた西欧中心的発想に対する明確なアンチ・テーゼとして重要であると同時に、ではここで言う「アフリカ」とはどこなのか(それを一括りにできるのか)、思想をすべて「哲学」の枠に組みこんでいくことが妥当なのか、それは実際にアフリカで生きる生活者から切りはなされてはいないのか、といった問いもうみだすことになる。
本研究会ではガーナの哲学者フセイン・イヌサー(Husein Inusah)さんを講師としてお招きし、アフリカ哲学の現代的展開をお話しいただくとともに、以上のようにアフリカ哲学が触発する問いについても考えをお聞きする。アフリカにおける学知の脱植民地化を研究面だけでなく教育面でも試みてきたイヌサーさんには、アフリカ哲学をいかに教えるかといった点も含め、アフリカ哲学のリアルな実践経験を共有していただく。さらに日本のアフリカ研究者が参加するフロアとの応答をとおして、アフリカ出自の思想的営為がもつ力と可能性を、専門的な「哲学」の枠外まで広げて捉える機会としたい。
講師プロフィール:
フセイン・イヌサー(ケープ・コースト大学准教授)
専門は脱植民地性の認識論、アフリカ哲学。アカン(Akan:ガーナを中心とする西アフリカに暮らす民族)のことわざに独自の世界認識や知的な徳を見出し、西欧知と並置させる議論などを展開する。邦訳された論考として、「認識論的相対主義を恐れること勿れ―アフリカ哲学を『普遍主義』のわなから解放する」(松田素二訳,2022,松田素二・フランシス・B・ニャムンジョ・太田至編,『アフリカ潜在力が世界を変える』京都大学出版会,43-72.)がある。
日時:2025年9月26日(金)15:00-18:00
使用言語:英語
会場:同志社大学烏丸キャンパス 寒梅館2C会議室
主催:グローバル地中海地域研究同志社拠点「コロニアリティと社会的実存」研究班
鈴木赳生(すずき たけお)(京都精華大学国際文化学部 講師)
suzukit11@kyoto-seika.ac.jp